PT・OTにおける食事動作の介入について

 前回、摂食・嚥下に対するPT・OTの関わりについてお伝えさせて頂きました。今回は、食事時の姿勢、環境設定のついてPT・OTが介入できることをお伝え致します。現在、食事は自力で行えているが、今の姿勢で本当に良いのか?などの疑問が少しでも解決できたら幸いです。

<食事姿勢のポイント>

①頭が軽く引けている(右図)

・咽頭から気管へ角度がつき、食道に食べ物が流れやすくなる。

・顎と胸の距離は指3~4本入るくらいの前屈角度が適切である。

②足底全体が床に接地している

・足底が床に接地することで、しっかりと「噛む」ことが可能

・接地していないと、咀嚼力が15~20%低下すると報告がある

・高齢者は咀嚼力がそもそも低下傾向にある

③テーブルとイスの高さが適切である

・テーブルの上の食べ物が少し見下ろせる高さのイスが良い

・自然に頚部が前屈でき、顎と胸の距離が指3~4本入る角度になる高さが適切

 

 

食事の際、何に座っているかは人によって様々であると思われます。イス、車椅子、ベッド、正座など

環境の違いにより、適切な姿勢でないことも、見受けられます。姿勢によって、食事が「楽しみ」から「苦

痛」になることもあります。例えば、食事時間が長く疲れる、胃の圧迫感、姿勢崩れによる痛みなど、姿勢

によって良好な嚥下を妨げる要因にもなります。キラットでは、食事時の環境設定、車椅子調整などが

できるように、スタッフ一同、話し合いながら取り組んでいきます。是非、お声掛け下さい。